ヴァン・ショーをあなたに（近藤史恵）

ヴァン・ショーをあなたに (創元クライム・クラブ)

タルト・タタンの夢のシリーズ２作目。
今宵も、ビストロ・パ・マルに集まるお客さんは、何かしらの秘密とか、問題を抱えていて……という連作短編集。
とってもおいしそうな料理に、個性豊かなお店の面々。
その中でもとびっきりの変人（？）の三舟シェフの鋭い推理が、お客さんたちの問題を、きれいに解きほぐして行きます。
前巻では、締めに出されるヴァン・ショーが、決め台詞（？）代わりだったりしたんですけど、今回はあんまりなかったなぁ、と思ったら、最後に、このヴァン・ショーが生まれるきっかけとなった事件が語られます。

重たい本格ミステリっていうんじゃないけど、楽しめて読めるけど、しっかりとした後味も良い。でも、どこか暖かく、ほっとした感じになる、まるで、暖かい家庭料理のような、そんなミステリです。

[Today's tune]ユーフォリア/牧野由依