学校の階段 10(櫂末 高彰)

学校の階段 10 (ファミ通文庫)

学校の階段 10 (ファミ通文庫)

「青春の無駄足」
「回り続けるハムスター」
学校の階段、堂々の完結です。


「先」を求めて走り続ける神庭と彼を見守る周囲の暖さ。
求める「先」って、そんなに簡単じゃないだろ?
とは思うけど、それすらも理解した上で、見えない「先」を求めて走るんだろうなぁ。
そういう意味では、答辞は本当に良かった。泣けた!


たぶん、神庭、刈谷が見た「先」っていうのは、
走った向こうにだけあるんじゃなくて、いわゆる熱病のようなもので、
青春という場所で誰もが一度は見るものなんじゃないかと思う。
走ったりとかスポーツだけじゃなくて、
音楽とか、小説とか、あがいて、あがいたその向こうにあるものなんじゃないかな?


だから、別に走ってなかったぼくでも、これだけ読めるんだろうし。


全ての走り続ける階段部、読者の人、そして、筋肉にその「先」があらんことを。