ライトノベルと音楽と

そういえば、僕は小説を読むときというか、
常にだいたい音楽を聴いてて、仕事も何か聴きながらできたらいいのになぁ、
と思うくらいなんですが、他の人ってどうなのかなぁ、と思ったんですよ。
というわけで、唐突ですが、
僕個人的な、この小説にはこの曲! というのを挙げてみます。
せっかくの機会なんで、ラノサイ杯2009下半期の、
新規部門と既存部門で、それぞれ上から5作ずつでやってみます。
ただし、当然ですが、読んでないのは飛ばして5作で。


新規部門


少女と少女の、果てしないスケールの物語「紫色のクオリア
2009年下半期の、ライトノベルサイト界隈をにぎわせました。
このスケールが大きくて、透明感があり、
そして、不思議な浮遊感もある小説にぴったりだと思うのは、
ACIDMANのRide the wave。

カオスの生命
二足歩行は無力 想像は無重力
早々、散りゆく前に

というあたりが、紫色のクオリア第二部を思い出させます。


僕は友達が少ない、略してはがない!
個人的には、まさかこんなに上位にくるとは思ってなかったんだぜ……
「友達を作りたい!」という不器用なやつらの、楽しい青春。
もう、お前ら十分友達だぜ? と彼らに突っ込むのは無粋。
そういうのって、自分で気がつかなきゃだめなんだよね?
というわけで、曲はスーパーカーのDRIVE。

ねえ、こんな日は一緒に空をながめていよう。
ねえ、そんな目じゃぁきっと涙しか見えないよ。

こんなことが自然に言えるようになれば、
きっと彼らも気がつくんじゃないかな?

  • ぷりるん〜特殊相対性幸福論序説〜/十文字青=Crushed Like Fruit/Inme


「ぷりるん」という言葉がキーワードになる、
切なくて優しくて鮮烈な青春小説、ぷりるん。
これにはイギリスのバンドInmeのCrushed Like Fruit、1stアルバムから。

I can't believe this dream,I can't believe that I have tried so hard to die,
And now you want your money back,
I can't believe that I have to live without you

というあたり、ぷりるんにぴったりだと思うんですけど、どうでしょう?


  • ピクシー・ワークス/南井大介=読んでないのでパス
  • [映]アムリタ/野崎まど=Perfect Kiss/New Order


新規創刊MW文庫はいろいろ話題になりましたが、
新人でより大きな話題をさらったのが、アムリタでした。
映画という題材を通して描かれる純愛と恐怖。
これにぴったりなのは、やっぱりNew OrderのPerfect Kiss。

Now I know the perfect kiss is the kiss of death

という一節は、最後のシーンそのものなんじゃないかと。



ライトノベルミステリ者が歓喜! 復活・久住四季
ミステリクロノ? 俺らの古傷をえぐるんじゃないよ……
という、ライトノベルミステリという異端の場で気を吐く久住四季には、
9mm Parabellum Bulletとかどうでしょうか?
激しい音と、叙情的な歌詞が、
裏の裏まで複雑に絡み合う事件にあってるような気がします。


既存部門


さよならピアノソナタ、本編終了後に届けられた、
ボーナストラックのような短編集が、既存部門の1位でした。
フェケテリコそれぞれのその後が優しい筆致で描かれる、
とても暖かな短編集でした。
これには、やっぱりThe Clashの名作アルバム、London Callingで
最後に流れるTrain in Vainかなぁ。

Did you stand by me
No, not at all
Did you stand by me
No way

そばにいてくれないか?
でも、それだけじゃなくてさ、っていうのが、
The Clashとフェケテリコそれぞれの姿に重なります。


キリトさんパネェ! でおなじみのソードアートオンライン
最近は、オフで人と会うたびに、
夜のソードアートとか、もうこいつらに倫理コードはないのか?
という話ばっかりをしてたんで、あう曲を考えるのにも苦労した。
頭の中ではキリトさんのテーマソングはイエモンのLOVE LOVE SHOWなんだけど、
それじゃあまりにもあまりにもなので、真面目に考えて、
マンソンのRock Is Dead。
映画マトリックスでも使われていたはずなので、おなじみ。
神はテレビの中にいるんだぜ?とうそぶく歌詞。
コンピューターの中で人の絆を信じたキリトとアスナたちと対極にあるようで、
でも、その実大切なのは人と人だろ?という逆説的なところ、
一緒じゃないかなぁ、とか。


半額弁当を懸けた若者達──いや、狼達の闘いを描いた、ベントーシリーズ。
対象期間外でしたが、5巻がとてもすばらしかった!
ちょっとというか、かなりバカなんだけど、
心の熱さはそんじゃそこらのやつらには負けない変態の佐藤洋
彼を取り巻く若者たち。
彼らに贈るのは、レッチリのBy The Way。

Standing in line to see the show tonightand there's a light on heavy glow

というところが好き。


ちなみに、レッチリはPVでもだいたい上半身脱いでるし、
ライブだと(昔は)下半身も脱いだりしてたから、
ライトノベル史上最凶の変態ヒロインこと白粉花さんにもおすすめだ!


ついに完結へと向けて進みだしたシュピーゲルシリーズ。
あまりにも哀しすぎる、でも、その未来を祈らずにはいられない
少女と少年達の物語。
これにはドラフォのMy Spirit Will Go On。

One more time to escape from all this madness
One more time to be set free from all this sadness
And one last time to be the one who understand
My soul and my spirit will go on, for all of eternity

狂気も悲しみも、すべて乗り越えた向こう、
少女達の魂に、暖かな明日があらんことを……


ラノベというものに心惹かれた少年少女の青春群像、ラノベ部
作者の「ラノべが好き!」というのが、
読者にも伝わったからこその人気だったんだなぁ、と。
ここではあえて、FFAFのJuneauを。

And I'm nothing more than a line in your book

「僕なんて君の本の1行にも如かない」
そんな本と出会えたあの日。
そして、1行以上に大切な誰かに出会えたあの日。
きっと、本が大切だから、そうやって考えることができるんだよね?


というわけで、激しく主観で考えてみました。
「違うよ!これにはあの曲だろ?」
というのがあれば、なんなり反応してみるといいと思います。