ファンダ・メンダ・マウス/大間九郎

ファンダ・メンダ・マウス (このライトノベルがすごい!文庫)

ファンダ・メンダ・マウス (このライトノベルがすごい!文庫)

これは、あの栗山千明賞!
まさに宝島社だからこそ設けられた賞だと思います!
そして、今回の5作の中で一番の問題作じゃないかと。


読んで思ったのが、
「九郎という名前は、ライトノベルでは呪われてるんじゃないのか……」
ということ。
あれですよ。中村九郎ですよ。
いや、中村九郎とはちょっと違うんですけど、同じような匂いというか、感触がしたんですよ。
歪で、奇妙で、でも、とても愛おしい感じ?


いわゆるおしゃれな横浜というよりも、「私立探偵濱マイク」のような、黄金町、伊勢崎町、日ノ出町のような、どこかすえたような匂いがする、そんな横浜を舞台にして、スラップスティックでドラマティックなストーリー。
疾走し続けるようなドライブ感と、サイケデリックな酩酊感。


いや、マジでこれは面白い!
5作の中では、一番好き!
まるで、タランティーノの映画を見てるような感覚になったり。
そりゃ、栗山千明も好きだよなー、とか、妙に納得してしまいます。


とても、奇妙なんだけど、でも、とても気持ち良い小説でした。