SHIROBAKO22話の感想とノンオフィシャルなコミュニケーションについて

先週まではこちら。
SHIROBAKO14話に見るプロジェクトリスク
SHIROBAKO15話の感想と問題分析について
SHIROBAKO16話の感想とリスク対応について
SHIROBAKO17話と緊急の対応とメンバの個性について
SHIROBAKO18話の感想と成果物のクオリティコントロールについて
SHIROBAKO19話の感想とモラルマネジメントについて
SHIROBAKO20話の感想とコミュニケーションについて
SHIROBAKO21話の感想とクオリティとスケジュールだけじゃない話について


今週のSHIROBAKO、最後の山場に向けてちょっとひと休み? といった感じでした。
そのせいか、屋上のシーンだとかお酒飲んでるシーンが印象的でしたので、そのあたりについてネタにしようと思います。


プロジェクトマネジメントというと、オフィシャルなコミュニケーション──つまりは打ち合わせだとかレビューしかないと思われがちですが、コミュニケーションマネジメントでは、今回あった飲み会などのようなノンオフィシャルなコミュニケーションというのも軽視はしていません。
ノンオフィシャルなコミュニケーションの効果として、以下のようなものが挙げられます。

  • モチベーションのアップ
  • メンバーシップの醸成

平岡とタローがまさしくその飲み会でした。
プロジェクトメンバも畢竟人です。仕事の話でもオフィシャルな場だと言えないことをいろいろ考えます。だって、少なくない時間をそれについて考えて行動してるんだから。
機械じゃないんだから、いろんな思いを抱えてるはずです。
思いを抱えたままで閉じ込め続けるのか、他の人と共有するのか。
それは人それぞれかもしれないですけど、せっかく一緒に仕事してるんだから、悩みも喜びも共有しましょうよ、と思います。
で、「この仕事が終わったら辞める」と言う平岡に「辞めないでよぉ」というタローが良いですね。
「仕事さえすればお前なんてどうなったって良い」という人と仕事するよりも、「仕事も大事だけど、お前も大事だよぉ」という人と仕事した方が良いでしょ?
嘘でも虚栄でもごまかしでも、意識高い系とバカにされたとしても、そうやって話せる仲間がいるというのは良いと思います。


他にノンオフィシャルなコミュニケーションの効果としては、

  • 裏で手を回せる

というのがあります。
これは、屋台で女性陣が話していた内容ですね。
よく、「タバコ吸う人は喫煙所で決めてくる」と揶揄されたりもしますが、こういう事です。
タバコを吸わないなら、彼女たちのように飲み屋でもどこでも良いし、えまとみゃーもりみたいに屋上でドーナツ食べながらでも良いです。
とにかく、

  • まだオフィシャルにはできない事柄を
  • オフィシャルではなくても決めておく

というのが重要です。
#もちろんオフィシャルに決める場合は、そういう場所が必要です。
このあたりは、日本のやり方としてダメだと否定されることの多い「根回し」に繋がる部分かもしれませんが、うまくやると効果は非常に大きいです。


あと自席で隣の人と話すというのも、厳密にはノンオフィシャルなコミュニケーションです。
SHIROBAKOのようにセクションで別れた席であれば、隣には先輩が座ってるかもしれないし、その人から貴重なアドバイスがもらえるかもしれません。
そう、えまのように。
というわけで、ノンオフィシャルなコミュニケーションの効果でもうひとつ。

  • プロジェクトメンバ外からの意見をもらいやすい

というものが挙げられるでしょう。
オフィシャルな場だと、どうしても意見は言いにくいものです。


ノンオフィシャルコミュニケーションはこの辺りにしておいて、コミュニケーション周りで気になったところをもうひとつ。
作画の人と監督たちが打ち合わせをしているときの席順です。
Twitterでも「面接かw」などと書かれていましたが、確かに面接などでよくあるように、監督たちと作画が向かい合う形で座っていました。
一般に、あのように向かい合う形というのは心理学的に「対立」の位置であると言われています。敵対するもの同士が同じテーブルにつくときの位置です。
この位置だと、緊張感が高まり、攻撃的になると言われています。
彼女のもともとの性格はあるのかもしれませんが、座り方がそれを助長させているというのは考えられるでしょう。
それでは、緊張感を緩めたりするにはどう座ればいいのでしょうか。
隣に座ると、「仲間」の位置だと言われています。
しかし、今回は「仲間」というのはちょっと違います。
なので、四角形で言うところの隣の辺に座るのはありだったと思います。
「対立」でもなく完全な「仲間」でもなく、「協調」の位置として、程よい緊張感と仲間意識を持ちやすくなるでしょう。


そういった観点だと、平岡とタローが飲んでいたときの席というのは面白いですね。
あれは完全に「仲間」の位置です。
居酒屋のシーンなどだと、どうしてもテーブルを挟んで「対立」の位置に座らせがちになりますが、カウンター席に隣同士で座ることで、より強いメンバーシップの醸成が可能になっているわけです。


というわけで、今週のまとめです。
みゃーもり(かわいい)が本当にギリギリっぽくてかわいいですね! 来週あたり、ぽきっと折れそうで楽しみですね! 矢野さんがどうやってフォローするか楽しみですね! 矢野さんに「よしよし」されたいですね!
ずかちゃんは、どうなるのかなぁ……。明るい場所に出て欲しいけど、どうなるんだろうなぁ……。
あと、タロー×平岡は間違いないな。
うん。


来週については、まさか
SHIROBAKO15話の感想と問題分析について
SHIROBAKO16話の感想とリスク対応について
のあたりで書いたネタをまた繰り返すのか……、という気がしないでもないですが、前回とはどう変えてくるのか? というあたりに着目したいと思います。