UFO大通り(島田荘司)

UFO大通り

UFO大通り

いやぁ、島荘がすごい精力的だなぁ。
もう、若いのには任せておけない! ということなんでしょうか?
というより、ここらで本格ミステリとは? というのを実作で示さなきゃいけない、という危機感の表れでしょうか?
拡散と空洞化が激しい現状で、島荘だとか、アリスだとかがいわゆる本格を発表するというのは、何かしらの符号があるんじゃないか、と。
そういうわけで、面白かったですよ。
まずは表題作。
UFOと宇宙人という発端から、奇妙な殺人状況。
そこから導き出される意外な殺人。
あー、もう、良いなぁ。
傘を折る女のほうは、アームチェアディテクティブという、表題作とはまた違った趣向。
ラジオと電話だけで、こんがらがった難問をさらりと解決してしまうのは、さすが当代一の名探偵。
いや、ほんと、今の日本ミステリ界で、御手洗以上に名探偵らしい名探偵というのは少ないんじゃないでしょうか。
名探偵、といえば、綾辻の島田潔、アリスの江神・火村、をはじめとして、いろいろと思い浮かぶわけですが、現在でも新作が発表されている中では、やっぱり御手洗が一番なんじゃないかと。
ともかく、月刊島田荘司、面白いよー。