哲学的なミステリを考えてみる──哲学的な意味はありますか?──

哲学的なSFを教えてください。(アルファルファモザイク)


と言うわけで、負けずに哲学的なミステリを考えてみる。
ちなみに、タイトルの言葉は、マーヤ@さよなら妖精米澤穂信)のセリフから。

さよなら妖精 (創元推理文庫)

さよなら妖精 (創元推理文庫)

哲学的なミステリを挙げるという行為自体に哲学的な意味はないかもしれないですが。

哲学者の密室 (創元推理文庫)

哲学者の密室 (創元推理文庫)

いや、まずは笠井潔を挙げないでどうする、と。
矢吹駆シリーズでも、タイトルにそのまま哲学者と入っているので、哲学的なミステリとして、これ以上のものはないんじゃないかと。

虚無への供物 (講談社文庫)

虚無への供物 (講談社文庫)

哲学的と言うよりは衒学的?
いやいや、嵐のように繰り広げられる衒学と推理思考の向こう側に、人間存在への確かな考察があるのです。

九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)

九尾の猫 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-18)

推理小説界において、燦然と輝く名探偵であるエラリー・クイーンも、後期はいわゆる「クイーン問題」「名探偵問題」というものに悩まされるようになります。
それは、人が人を裁けるのか?
自分は、神をも恐れぬ行為をしているのではないか?
という命題そのものに違いなく。
そう悩みながらも、弱々しくも、事件の解決という己に課せられた使命に向かうエラリィの姿に胸を打たれます。

名探偵に薔薇を (創元推理文庫)

名探偵に薔薇を (創元推理文庫)

同じく、名探偵という存在の悲哀を描いたのが、城平京の名探偵に薔薇をです。
陰鬱な事件の裏に隠された動機を解き明かしたとき、名探偵とはいったい何なのか、人が人の秘密を解き明かすというのは、いったいどういう意味を持つのか、それを深く考えることになるのではないでしょうか。

コズミック (講談社ノベルス)

コズミック (講談社ノベルス)

はっきり言うと、できれば入れたくはなかった!
しかし、この小説──JDCシリーズほど、名探偵、事件、推理などに対して逆説的な意味の持たせ方をしている物がすぐには思い浮かばなかったので。
すべての要素が飽和してくこの小説は、上で挙げてきたようなミステリに対する、大きなアンチテーゼであり、存在そのものがひとつの哲学なんじゃなかろうか、と。


と、ここまで書いて気が付いたよ。
……ボク、哲学はさっぱりわかんないよ!
これは致命的だ。
というわけで、誰か、ボクに哲学的なミステリを教えてください。
あと、「哲学的なラノベ」というのも面白そうなので、誰か考えてみると良いと思います。