凶区の爪(竹本健治)
- 作者: 竹本健治
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 1995/02
- メディア: 文庫
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「キララ、探偵す。」とか「キララ、またも探偵す。」で有名な、竹本健治のだいぶ前の小説です。
……絶対、匣の中の失楽とかゲーム3部作とかウロボロスとか言わないんだからねっ!
というより、これ、牧場智久と武藤類子の初競演だったのか! 読んだあとでびっくり。
伏線というよりも、布石と言う方がぴったりと来るトリックが良いです。
さすがは、天才棋士牧場智久が活躍するだけあります。
で、そうやって、犯人の取った行動を、碁の手として考えていくと、なかなかに面白い。
あのときの行動が、悪手だったんだろうなぁ、とか。
そして、それを見通す智久の「ヨミ」と、美しくも物悲しい投了図。
こんなことを書けば、ミステリの人だって、認めてもらえますか?
[Today's tune]瓦の屋根に雪が降る/eastern youth