ヴァンパイヤー戦争(笠井潔)

「ヴァンパイヤー戦争1 吸血神ヴァーオゥの復活(笠井潔)」
「ヴァンパイヤー戦争2 月のマジックミラー(笠井潔)」読了。
さて、問題はこのままの状態でずっと先長く続いていくのか? という事です。
笠井本人が最近の評論や対談などで言っている事ですが、
近年の伝奇ものは確かに以前の世界と関わるというものから自分の事もしくは自分に近いものにしか関わらないという傾向があります。
ライトノベルによく見られる、あれです。
確実に、自分たちが「世界」と感じる範囲が狭くなっています。
ヴァンパイヤー戦争での九鬼のコミュニティーは、驚くほどに広いです。
それが、世界に広がりを出して、話を面白くする効果になっています。
まぁ、ですけどあまりにもワンパターンなような気が。
それで冒頭の心配になる訳ですが。
まさか、この反復する展開すら笠井潔の計算通りという事なのでしょうか?
……もちろん伝奇小説に親しんだ事は無い世代ですが、もし他の伝奇小説もこのような感じだったのなら、何となく衰退していった訳が分かるような……


そんな私ですが、笠井潔は好きです。
この、多分のりのりでおもしろいだろーって書いている雰囲気が大好きです。

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