”文学少女”と死にたがりの道化(野村美月)

物語を食べる少女(妖怪)と元天才少女作家(男)の前に紡ぎ出される、「恥の多い」ひとつの事件。
この前秋葉原に行ったとき、とらでタイトル買いしてみたライトノベルです。
あー、良かった、タイトル買いして、といった感じ。
一ページ目を読む前に、タイトルだけで「アレ」というか、はっきり言うと太宰でも関係あるのかなぁ、文学少女だしなぁ、と思ってたんですが、まさにその通り。
ミステリじゃないし、ネタばれしても特に問題はないような気がしないでもないですが、個人的には、これはできるだけまっさらな状態で読んでほしいと思うので、内容についてはそれほど詳しく説明はしません。
太宰の人間失格によく似た文章を中心として展開されるやるせない物語。
と言えば、大体の雰囲気は分かってもらえるんじゃないかなぁ、とか思ったり思わなかったり。
ラスト、屋上のシーンがとても良かったです。
って、ああああぁ、そのあたりについてというか、言いたいことを少しでも言おうとすると、一番良いシーンのネタばれになってしまうというこのもどかしさっ。義務教育で強制的に太宰とか芥川とか夏目漱石とか、川端康成くらいの主要作品を読ませてくれてればネタばれも気にせず書けるのにっ。舞姫なんてエロゲーのシナリオなんていらないのにっ。
そんなわけで、以下本筋に関係ない内容を書き綴ろうと思います。
ええと、表紙で椅子に体育座りして本を食べているのが、ヒロインの遠子なんですけど、良いですよ。うん。もう、いくらでも本を食べさせてあげたいっ!
まずは、ユヤタンと舞城から(ぇ
……なんだか食あたりしそうなセレクトでいぢめて、逆に怒られたい?
あとあれですね、クラスメイトがツンデレ。間違いない。
……だから、ネタばれできないからこういうネタしか書けないんだって!
あの、その、だから、とりあえずは本を読まない人よりも読む人の方が楽しめると思います。
高校くらいまでの国語の知識はあった方が面白いんじゃないかと。
フィッツジェラルドといわれて、読んだことはなかったとしてもどういう感じの小説を書いているのか? とか分からないよりは分かった方が良いでしょ?
ちなみに、私的ギャリコのベストはジェニイISBN:410216801X
猫だし、猫だし。もう、猫だし。

[Today's tune]天才/Syrup16g