顔のない敵(石持浅海)

顔のない敵 (カッパ・ノベルス)

顔のない敵 (カッパ・ノベルス)

さすがに、状況の作り方というのはうまいものがあるなぁ、と。
衆人環視だったり極小の閉鎖状況だったり。
ただ、作者自身の性格か、動機の設定にいまいち感があったのも事実。
それがトリックなどと密に繋がっているから、ちょっと不完全燃焼かも。
まぁ、そのあたりは個人の好みの問題でもありますけど。
「端正な」本格というのであれば、ほとんど問題ないとは思いますが。
で、地雷という問題。
安い、長く使える、効果絶大、と、良いことずくめの地雷。
けれど、そんなのはまやかしでしかなく、今でも地雷で苦しんでいる人は沢山いる。
道を歩く、という日本では誰もが何も考えずにやっていることだって、命がけで、細心の注意を払わなければならない地域があります。
それは、朝もなく夜もなく、ひたすらにじっと哀れな獲物を待ち続けている。
20世紀最大の過ちは、戦争というものの形を明らかに変容させたことなんじゃないかと思う。
より大きな獲物を! より沢山の血を!
民族とか宗教とか、そして何よりもやっかいな経済とか。
そういう都合で毎日死者が生産され、悲しみが量産されている。
たとえば、子供にお金の大切さを教えるために、そのお金のために、お父さんは一生懸命働いてうんぬんと説明する親がいるかもしれない。
それと同じように、高層ビルの最上階に陣取ってるくそじじぃどもには、貴様らが手にしてる金は全部血でできてるんだって教える必要があるのかもしれない。
もちろん、戦争に否定できない面があることはわかっているつもり。
どんな事をしようとも、攻めてくるやつらはいるのだから。
結局何をしてもだめだって事を、特定アジアの国々は教えてくれている。
自分たち自身の態度こそが、日本に危機感を抱かせているというのにも気がつかない、哀れな国。
そして、それに呼応して日本を荒廃させようとするやつらもいるし。
あー、もう、どこかに直衛のようなやついない?

[Today's tune]The Power Of Equality/Red Hot Chili Peppers