ひとりっ子（グレッグ・イーガン）

ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

やっと、読みおわりました。
これぞSFという奇想。
一ページごとに、意識が、感性が刺激されます。
自分自身の、そして人間のアイデンティティに深く切り込んでゆく小説の数々。
個人的な白眉はルミナス。
数学とは、これほどまでに詩的なものだったのか、と嘆息することしきり。
不安定なものの美しさ。
それは、境界線上に浮かぶ蜃気楼なのか。
自らの思考をトレースしろ。
それが、きっと、ここに現れているはずだから。


というわけで、SF初心者には、全くお勧めできない短編集でした。
いや、ボクも、ほとんど初心者なんですが。
ただし、SFに親和性のある人なら、中毒性非常に高いこと請け合い。
ちょっと前に、とある方のところ経由で、涼宮ハルヒからSFに入って……という2chのスレを見ましたが、そういう人には、まずお勧めできないです。
スレでも語られてたことですが、涼宮ハルヒから入るなら、まず、神林長平などの、長門さんの100冊中にあるSFものから、ハイライン、Ｊ・ティプトリー・ジュニアとかの、読みやすいあたりから攻めて、それでもまだSFを読みたい、と思った人だけイーガン、ラッカーを読めば良いんじゃないかと思われ。
いや、どっちかというと、ボクもどういうラインでSFを読めばいいのか？　を教えて欲しい方なんですが。
ええと、とりあえずは、イーガンの他には、レムを読もうと思ってます。
これで良いのかな？　かな？

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