SHIROBAKO20話の感想とコミュニケーションについて
毎週のSHIROBAKO感想のお時間です。
先週までのはこちら。
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今週のメインテーマとしては、やっぱり
「どうしてアニメを作ってるの?」
というところだったと思います。
それはつまり、
「どうして仕事をしているの?」
ということです。
作中では三女のアリアが飛ぶ理由と重ねるように、それぞれがアニメを作ってる理由というのが語られていました。仕事なんてものは畢竟金を稼ぐための方策でしかなく、それ以上でもそれ以下でもないわけですが、せっかく長い時間かけていろいろやってるんだから、金を稼ぐ以上の意味を見つけたりなんだりしたってもいいんじゃないか? と思っています。
と、これだけだと感想としてもなんなんで、平岡さんと作監さんで喧嘩したあたりについて、コミュニケーションあたりの観点から書いていきます。
今回は、マネジメントにまで至らない、単純に仕事上のコミュニケーションについてどういうところを気をつけなければならないか? というところに着目します。
まずは、平岡さんの良くなかったところです。
- 仕事の依頼の仕方が良くない。
最初はこれです。ぶっきらぼうなのは問題ないです。ただ、やはり、相手の状況に合わせて言葉は選ぶべきだったと思います。すでに相手にいろいろお願いしている状況で、さらにタスクを依頼するのであれば、少しの気遣いをみせるだけでも、普通は違います。
- 相手の仕事に口を挟まない。
売り言葉に買言葉だったかもしれませんが、リテイクを入れられたことに対して異を唱えるのはNGだと思います。それは、相手の仕事を否定することになります。職分を超えてしまうのは、NGです。
今回の話ではりーちゃんに対して「女だから」などという場面もありますが、これは絶対にダメです。良くない。NG。
仕事上、相手を判断する材料として、性別だとか出身、年齢、国籍etcを考慮にいれるのは間違っています。こればっかりは、どんな業界でも同じです。
判断するのは、相手にどういう実績があるのか、どういう能力を持っているのか、この二点です。決して、性別、出身、年齢、国籍、身体的特徴、思想、宗教、などではありません。
相手のこれまでしてきた仕事、今やっている仕事、これからやる仕事をリスペクトする。
それが大切です。
続いて作監の悪かったところです。
- 感情を(先に)表に出した。
いろいろと不満は溜まってたんだと思います。
しかし、先に感情を表に出したことで、平岡さんもそれに合わせて感情をあらわにしなければならなくなりました。
- 過去の仕事を否定した。
これは平岡さんの方でも書いた通りですが、ちょっと付け足し。
現在の仕事についてNGを出すのは問題ないと思います。だって、それが仕事なんだから。
でも、過去の仕事にダメ出しをするのは良くないです。
だって、言われても過去のことはどうしようもないでしょ?
というあたりにしておいて、次は二人の良かったところです。
- 喧嘩した。
はい。喧嘩したのはいいことです。二人してぐっとこらえて腹にぐるぐるしたのが溜まったまま続けるなら、喧嘩してそのあと仲直りしたほうが万倍ましです。
なので、
- 平岡さんが謝った。
- 作監さんが許した。
というのも良いと思います。
もう少し解説を続けます。
今回の二人の状況は、いわゆるコンフリクトの状態です。
とにかく先へ先へと進めたい平岡さんと、それもわかるけど最低限のクオリティを確保したい作監さん。対立しています。今回は二人で喧嘩してなんとなく収まった感じですが、本来であれば、交渉して結論を出すべき問題です。
このあたりのコンフリクトの解決については、それだけで1冊どころか何冊でも本が書けるようなテーマなのでここではさらっと触れるだけに止めますが、コンフリクトの解決、つまり、交渉を成功させるための4原則だけ。
- 人と問題を切り離す
- 立場でなく利害
- 多くの選択肢
- 共通の基準
という4つが、「ハーバード流交渉術」と呼ばれるものの原則です。
この原則に照らして今回の二人の対立を見ると、はい、思いっきり反対のことやってますね。そりゃ、決裂もしますね。
なお、このあたりのコミュニケーション、コンフリクトの解消についてなどは、5月の文学フリマのときにちょっと書こうと思っていますので、そちらもよろしくお願いします。
それでは、今日のまとめです。
なぁ、ちょっと矢野さんかわいすぎないか? 天使? 天使だろ? いや、まじで。矢野さんマジ天使。そりゃ、みゃーもり(かわいい)も矢野さん(天使)に手懐けられるわー。そして絵麻は久乃木さんとキマシタワーになってるしさ……。良い……。良いな……。あとな、やっぱりな、りーちゃんに「ししょー!」って呼ばれたくない? まぁ、呼ばれたいだろ。うん、わかる。わかるよなぁ。男じゃない! とか言われても、それでも幸せだろ? 幸せ感じちゃいたいだろ?
というわけで、弊社ではタロー×平岡さんを応援しています。
リバはねぇなぁ……。
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