”文学少女”と繋がれた愚者

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

今年のラノベランクでも上位にランクインし、話題になった文学少女シリーズの最新刊です。
今回下敷きとなる小説は、武者小路実篤の友情です。
元々の小説がすばらしいのか、それとも、それの料理の仕方がうまいのか、はっきり言って名作、と言ってしまって良いくらいの仕上がりです。
個人的には、前2作よりも良いと思います。
主人公心葉の傷、クラスメイトの苦しみ、暖かく見守る遠子先輩にも、つらいところがあって。
みんな、それぞれに苦しみを、痛いところをもっている。
子供が、傷をなめあってるだけ、と思えるかも知れない。
でも、その傷は、彼らじゃなきゃ癒せないものだから。
クライマックス、朗々と語る遠子先輩の姿に、思わず胸が熱くなった。
たぶん、シリーズベストと言っていいくらいの名シーンだったと思う。
あと良かったのは、心葉が書き損じた原稿用紙を、遠子先輩が大切そうに食べるシーン。
彼女の暖かさ、優しさというのがよくわかるシーンでした。
で、アレですね。
遠子先輩@袴っ子バージョン!
あの、その、ハァハァしていいですか?
やっぱり、文学少女と言えば、セーラー服か袴だぜっ!
どこか間違ってる気がしないでもないけど、きっと真理。
そして、できることならメイドバージョンも見たかった!
誰か書いて!
あとあと、ななせちゃんも良かったじゃないか。
あとがきではちょっとかわいそうだと書かれているけど。
うん、良いツンデレ


まぁ、戯言は置いておいて、武者小路実篤、実は読んだことないんですよね。
というより、ボク、圧倒的に読書量が少ないよね。
こうやって感想を書いていて、それを切実に感じます。
ああ、どうして中学生とか高校生の頃にもっと読んでなかったんだろうか!
あの頃のボクのバカ。
村上龍をあらかた読んだ勢いで、春樹も読んじゃえば良かったのに。
ついでに、芥川を読んだついでに、他の日本文学にも手を伸ばせば良かったのに。