オタクがMacにスイッチできたわけ

最近、なぜかMacに乗り換えよう! だとか、普通の人もLinuxを使ってみよう! といった記事を見かけることが多いような気がします。
まぁ、ボク自身も、こんな記事を書いたりしているわけですがっ!
──アレですね。何が言いたいかというと、上記のエントリだけだと、あまりにもあまりにもじゃないかと。
これじゃあ、ボクがただの危ない人じゃないかと。
──実際、某屋根裏では、そのように認定されているふしがあるんですが。というより、いつの間にか話が広がっているらしいんですけど……。
というわけで、「普通の人」がMacを使うときに便利だなぁ、と感じることを挙げてみようかという企画。
──だって、理由はよくわかんないけど、Macを使おう! っていう記事って、大体がUNIXベースだよ! とか、そういうのばっか書いてるんだもん。
だから、あえて「普通の」とつけてみます。
それじゃあ、いってみよーか。

MacOSXはシャットダウンしなくて良いよ

ええと、Windowsを使うときは、使い終わったらシャットダウン、というのが常識というか、常に電源を入れ続けるというのは、一部のサーバくらいしかやっていないと思います。
そもそも、Windowsが電源を入れ続けると挙動がおかしくなる、というのは有名な話で、Vistaで一応改善はされたはずですが、それでも「週に1度はリブートを」と書かれる始末。
じゃあ、Macはどうなのか? ということですけど、ええと、基本的にMacOSXが入ったマシンというのは、OSのシャットダウンはしません。1日終わっておやすみーというときでも、シャットダウンじゃなくてスリープ状態にするだけ。
#このスリープ状態のときのiBookめがっさかわいいんですがっ、それはこの前書いたので割愛。
シャットダウンとかリブートするのは、セキュリティのアップデートがあったときくらい。
持ち歩くときも基本的にはスリープ状態にしかしてません。あ、飛行機のるときはちゃんと電源落としてるけど。
そんな、定期的にシャットダウンしなくて、調子悪くならないの? と思われるかもしれないですが、OSの調子が悪くなると言うことは、まったくと言っていいほどないです。
少なくとも、ボクが今のiBookを使い始めてから、もうすぐ3年になろうとしていますが、その間OSが不調になったことは1度もないです。
で、この電源を落とさないで、スリープで良いと言うことの利点はと言うと、

  • 作業をすぐに止められる。
  • 作業中のファイルを放置しておける。
  • 作業をすぐ再開できる。

というあたりがあるんじゃないかと。
まぁ、Windowsでもサスペンドしてれば良いよ、というのはあるかもしれませんが、さすがに数時間もの間サスペンドさせておく人はいないと思います。
ボクが無精なだけかもしれないですが、テキストエディタで書き殴って、数日から数週間、保存せずにそのまま放置してあることもあります。そうしていても、まったく問題なし。
この、「わざわざ電源を落とさない」というのに慣れてから、コンピュータの使い方は確実に変わりました。

Macのアプリケーションは、ほかの人を道連れにしないよ

コンピュータを使うときに、アプリが突然動かなくなるというのは避けて通れないものです。
Macでも、たまにアプリが突然おかしくなることはあります。
例えば、Firefoxが大量にメモリを食っておかしくなることがあります。
そういうとき、Windowsだと、他のアプリにまで問題が波及することが良くあります。
特に、エクスプローラがおかしくなったときは悲惨です。アプリどころか、OSまで引きずって行くことまであります。
じゃあ、MacでもアプリがおかしくなったらOSごとダメになるんじゃね? と思うでしょうが、実はそんなことはありません。Macは、おかしくなったアプリさえ強制終了してしまえば、あとは何事もなかったように元に戻ります。
例えば、この前Java統合開発環境Eclipseをインストールして使ってみようと思ったんですが、メモリを数百MB単位で使い出して、Eclipseどころか他のアプリすらまともに動かない状況に陥ったことがありました。いわゆる、スラッシングっていうやつ?
で、その時にどういう解決策をとったかというと、

  1. メモリの使用状況を見るため、アクティビティモニタを起動。
  2. Eclipseのメモリ使用率がすごいことになってたので、「強制終了」をクリック。

以上。
たったこれだけ。
まぁ、アクティビティモニタの起動を、シェルからやってるというのが、ちょっと「普通の」使い方じゃないかもしれないですが。
そして、実は強制終了だけなら、わざわざアクティビティモニタを起動させる必要ないです。
画面の左上にあるリンゴマークをクリックして、出てくるメニューから「強制終了」をクリック。
現れるウィンドウで強制終了させたいアプリを選ぶだけ。
というより、普通はこうする。
あと、シェルでプロセスを直接killするというのもあるけど、普通はやらない。
どちらにせよ、WindowsのようにCtrl+Alt+Delで……とやらなくていいのです。

Dockはただのランチャじゃないよ

MacOSXの見た目の特徴で良く挙げられるのがDockです。
画面の端っこで、アイコンがずらっと並んでいて、クリックするとアプリが起動するというアレです。
よくわからない人は、とりあえずぐーぐるたんに聞いてみよう!
さて、Windows環境でもこのDockを使おう! ということで、Dock風のランチャがあったりします。
同じように画面のはしにあって、マウスポインタがのると大きくなったりとかするの。
うん。確かに見た目はそっくり。
でも、実はそれだけじゃDockの機能の半分しか再現できてない。
MacOSXにおけるDockというのは、実はWindowsで言うところの、ランチャ+タスクバーにあたります。
つまり、ランチャとしてショートカットが登録してあるだけじゃなく、起動しているアプリも表示されているんです。
普段はDockに入れていないアプリでも、起動したらDockに表示されます。
さて、これのどこが良いのか? というと、一言で言うと、
起動していても起動していなくても、そのアプリが使いたければDockの中にあるアイコンをクリックすれば使えるようになる、
ということです。
そのアプリが起動していれば、そのウィンドウがアクティブになるし、まだ起動していなければ新たにウィンドウが開きます。
Windowsに慣れていると、別にWindowsで不便じゃないし、って思うかもしれないけど、このDocは、使ってみると便利さが身にしみますよ。仕事でWindowsを使うときに、アプリを開いていくごとにどんどんタスクバーの表示が少なくなっていくのが、大変なストレスに感じられます。

エグポゼは便利だよ

これも、Windowsにはない機能ですが、MacOSXにはエグポゼという機能があります。
これは、F9を押すと、デスクトップに開いてあるウィンドウが縮小表示され、全て一覧できるようになる機能です。
いやぁ、どうしてもたくさんのファイルを開きがちな仕事で使うコンピュータにこそ、こういう機能が欲しいですよ。
プライベートで使う場合なんて、あまりウィンドウは開かないんで、あまり便利さの実感がないんですよね。
今だって、FinderにlolifoxにThunderbirdにターミナルにMSNMessengerにiTunesJeditにiColにスティッキーズにアクティビティモニタにmultiDockにMacFaceくらいなんで。……それでも、開きすぎ?
便利だなぁ、と実感したのは、本を作ってるとき。
LaTeXなんて使って作ってるもんだから、テキストエディタTeXエディタにFinderにと、それぞれ複数立ち上がってる状況で、狭いデスクトップが大変なことになってたんですが、エグポゼを使えば、目的のウィンドウを一発で指定できるんですよ。これは、ほんと便利だった。


というわけで、とりあえず思いつくあたりを並べてみました。
よくある記事みたいに、「UNIXだからemacsが使える!」とか言われても、ぴんと来ないかもしれないですが、こういう内容なら、少しはMacって便利そうだなぁ、とか思って頂けるんじゃないかと。
というより、emacsなんて、普通の人使わないよ! さらに言っちゃうと、普通の人、テキストエディタ自体認識してないよ! せいぜい「メモ帳」だよ!
まぁ、Macにも良くないところはあって、例えばこのDockに入っているモノ以外のアプリケーション起動というのは、windowsに負けるんじゃないかと。
こればっかりは、決まった順序もなく、いい加減な並び順でだらだらと表示するWindowsのスタートメニューの方が初心者にはわかりやすい。
……まぁ、Macも、Macintosh HDのダブルクリックにたどり着きさえすれば、あとは「アプリケーション」というめがっさわかりやすいショートカットが出てくるわけなんですけど。
この「ダブルクリック」が問題なんですよね。
以上、でも、やっぱりMacを使う一番の理由は「萌えるから」なことひとでした。

[Today's tune]サード アイ/the pillows