クローバーフィールド HAKAISHA

テレビでちらっと観たりして気になってたんで、ちょうど時間もあるし行ってみようかというくらい。
正直、それほど期待してなかった。
でもねー、意外に楽しめたよー
いや、楽しいというよりは、表現として興味深い? って感じ。
映像の作り方から、マーケティングの仕方まで一貫して「リアリティ」というものを約1時間30分の映像から感じるために考え込まれているといった印象です。
徹底して内容を明かさないように、という広告も、ストーリーの中身を知られないようにするのが目的なわけではなく、突然あのような自体に巻き込まれることになった登場人物とできるだけ近い位置に観客をおこうという戦略なんじゃないか? と敢えて深読みしてみるわけです。
だって、ぶっちゃけ、あんなストーリー今更珍しくもないから。
しかしながら、それをああやって隠すことで、あのハンディカムの映像が、生きてくる、よりリアリティのある映像になるわけです。


で、もうひとつ面白いと思ったのが、やっぱり映像の作り方。
ハンディカムの映像というのは、小説で言うと一人称というのと同じなわけで、撮影者が見えないものは写ることはないわけで、あれ、これっていわゆるひとつの叙述トリックというやつに似てるんじゃね? というわけで。
いや、ちょうど探偵小説研究会のクリティカで、叙述トリックについての文章を読んだりしてたんで……
見えない部分は曖昧で、そこになぞができる。
この映画の場合は、それはNYをあんな風にした原因で、ミステリの場合はトリックで。
つまりは、本質的には同じかなぁ、とか。


そんなわけで、クローバーフィールド
できるだけ前情報無しで、さらには映画館で、大きな音と大きな画面で観るのが良いんじゃないか? という映画でした。
ネタを全部知っていたり、小さなモニターじゃ、面白さが半減すると思うのですよー。

[Today's tune]REMIND/ACIDMAN