このライトノベルがすごい!文庫創刊

というわけで、毎年その年のライトノベルで何が流行っていたのか? そして、これからのライトノベルでどんなものが来るのか? というのを鋭く切り取っていた「このライトノベルがすごい!」を刊行している宝島社から、新たにライトノベルレーベルが誕生しました。
その名も、
このライトノベルがすごい!文庫
です。


というわけで、創刊ラインナップの5作を読んだわけですが、非常に面白かったです。
もちろん、どれも作品自体がとても面白かったんですが、それ以上に、既に飽和しているとも言われている「ライトノベル業界」に新規参入するという、非常に冒険をした「このラノ文庫」が、どういう方向を目指しているのか? というのが、とても良くわかるラインナップになっているのが、とても興味深かったです。


「突然ヒロイン」「男の娘」「異能」「ツンデレ」「意思を持った機械」などなど、いわゆるアニメ的/ゲーム的な要素を含みつつも、その組み合わせ、まとめ方などが、とても特徴的。
「今までになかった」とまでは言えないかもしれないけど、これまでのいわゆる「ライトノベル」では、各レーベルで1年に1度出ればいいくらいじゃない? という異色作ばかりが、そのレーベルの方向性を決める創刊ラインナップに、しかも、全て新人でそろえられるというのは、それなりに覚悟が必要なことだと思うし、それだけ「このラノ文庫」のやる気が感じられることだと思います。


──そんなわけで、このラノ文庫の今後にはとても期待しているわけですが、ひとつ懸念事項があって、ぼくがこれだけ面白い! とか思ったものって、だいたい売れないんですよね……